11.危険な冬の高血圧|一般財団法人 京浜保健衛生協会

京浜保健便り

11.危険な冬の高血圧

保健師便り2017.01.03 34898view

危険な冬の高血圧
血圧が高い人にとって、寒い冬は注意が必要な季節です。寒くなると体温を逃さないように血管が収縮するため血圧が上がりやすくなります。
その他にも、忘年会や新年会などで飲酒の機会が増えることも、血圧が上がる原因になります。
高血圧は自覚症状があまりないため放置されることも多く、心筋梗塞や脳卒中(脳梗塞・脳卒中)を引き起こすことのある怖い病気です。
今回は危険な冬の高血圧についてお伝えいたします。

高血圧とは

血圧が持続して高い状態を高血圧症と言います。
収縮期血圧(最高血圧)140mmhg以上、あるいは拡張期血圧(最低血圧)90mmhg以上が高血圧です。

日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2014」より作図

冬と高血圧

血圧は季節によって変動しますが、特に冬場は以下の理由で血圧が上昇すると言われています。

寒さを感じると体温の発散を防ごうとする→体温を逃さないように血管が収縮→血圧が上昇

冬は運動不足→肥満→高血圧

忘年会シーズン・新年会→飲酒の機会が増える→食事による塩分摂取が増える→血圧上昇

症状

 高血圧の自覚症状は一般的にはあまりない場合が多く、ほとんどの場合健診などで発見されます。
 急激な血圧上昇時には頭痛・頭重感、肩こり、めまいなどの症状が現れることがあります。

高血圧を放っておくとどうなるの

血圧が高くなると、動脈と呼ばれる酸素を多く含んだ血液が通る血管に負担がかかります。
その結果、次のような合併症が引き起こされやすくなります。

日常生活の注意点

寒さを感じると体温の発散を防ごうとする→体温を逃さないよう、血管が収縮→血圧が上昇

・室内だけでなく、トイレや脱衣所も温める
・早朝は布団から飛び起きたりしないで、ゆっくり行動をする
・お風呂は40℃以下のぬるめのお湯にゆっくりつかる
・屋外に出る時は防寒対策をとる
・散歩や運動は朝の時間帯は避けて、暖かい日中に行う

寒さを感じると体温の発散を防ごうとする→体温を逃さないよう、血管が収縮→血圧が上昇

・塩分の摂り過ぎに注意する
・良質な脂質を摂取し、過剰なカロリー摂取を控える
・食べ過ぎて体重を増やさないようにする
・アルコールは適量にする

寒さを感じると体温の発散を防ごうとする→体温を逃さないよう、血管が収縮→血圧が上昇

・こまめに体を動かすようにする

寒さを感じると体温の発散を防ごうとする→体温を逃さないよう、血管が収縮→血圧が上昇

・喫煙には血管を収縮させ血圧を上げる作用があります。たばこを吸う人はできる限り早い禁煙を心がけましょう。
・睡眠時間が短いと高血圧や動脈硬化などのリスクが高くなります。6時間以上の睡眠を心がけましょう。
睡眠時無呼吸症候群のある人は高血圧を合併しやすいと言われています。きちんと治療を受けましょう。

保健師便り

この記事は、神奈川県川崎市高津区にある健診機関「京浜保健衛生協会」が執筆・監修しています。人間ドック/巡回健診/女性のための健診/がん検診など、健診でお悩みの際はお気軽にご相談ください。

一般財団法人 京浜保健衛生協会

ページトップへ戻る