21.お酒との上手なつきあい方
保健師便り2018.01.03 4581view
新年会でお酒を飲む方もいらっしゃいますよね。
あなたはお酒と上手につきあえていますか。
長く楽しくお酒を飲むために、お酒との上手なつきあい方を身につけましょう。
●お酒の適量は1日平均純アルコールで20g程度
(下記どれか1つ)
女性や高齢者は血中アルコール濃度が高くなりやすく、また、すぐ赤くなる体質の方はアルコールの分解が遅いため上記より少なめにしましょう。
●注意事項
●妊娠中、授乳中の飲酒は胎児や乳児の発達を阻害するため止めましょう
●服薬治療中の飲酒は、薬の効果に影響が出るため主治医に相談をしましょう
●入浴や運動前の飲酒は、心循環器系の変化を起こすため止めましょう
●寝酒(眠りを助けるための飲酒)は睡眠を浅くするため極力控えましょう
アルコールの分解速度は肝臓の大きさや遺伝的タイプ、年齢などにより個人差が非常に大きいと言われています。 ビール中瓶1本が、分解されるのにかかる時間は、目安として男性では2.2時間、女性では3時間程度です。それ以上飲みすぎると二日酔いになりやすくなり、また肝臓病になるリスクも上がります。適量を守ることが大切です。
お酒は飲みすぎると様々な病気の原因となります。特に肝臓病は頻度が高い疾患です。飲み過ぎによりまずなるのは脂肪肝です。脂肪肝の状態で、さらに多量に飲酒した場合はアルコール性肝炎という重症な状態になり、死亡する場合があります。アルコール性肝炎は断酒などの治療で改善しても、その後飲酒を再開した場合は最終段階の肝硬変に進みます。肝臓病にならないように、上手にお酒を摂りましょう。
できることから取り入れていき、病気を予防しましょう。
●適量をゆっくり飲む
●大きい入れ物から小さい入れ物に変えて視覚の満足感をアップさせる
●高価なお酒をじっくり味わう
●水やお茶と交互に飲む
●誰かと楽しく飲む
●空腹で飲んだり一気飲みしない
悪酔いや急性アルコール中毒になる危険があります。
●濃いお酒は薄める
●飲む前にチーズや乳製品を食べてお酒の吸収を緩やかにさせる
●バランスの良い食事を一緒に摂る
●低脂肪で高たんぱくな食べ物(豆腐、枝豆、鶏肉、魚、お刺身など)海藻、野菜を積極的に選ぶ
●締めのラーメンやスイーツはエネルギーの過剰摂取になりやすいので避ける
●休肝日を週2日作る
肝臓を休めるためには週2日の休肝日が必要です。アルコール依存症(※)の予防や、全体の飲酒量を減らす効果もあります。しかし、他の日に沢山飲まないように注意しましょう。
(※)アルコール依存症とは…
長期間多量に飲酒した結果、アルコールに対し精神依存や身体依存をきたす精神疾患。 1日に、酒に含まれる純アルコール量が60g(約日本酒3合弱)を超えると多量飲酒です。アルコール依存症は、家族、仕事、趣味などよりも飲酒をはるかに優先させる状態になります。1人でお酒をだらだらと飲む回数が増えると要注意です。早めにリスクに気づき予防することが大切です。依存症状がある場合は早めに医療機関に受診しましょう。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、症状が出てからでは遅いため早期発見が大切です。
検査項目はAST(GOT)、ALT(GPT)、γ‐GTP等があります。γ‐GTPが高値の方はお酒の飲みすぎが疑われます。AST(GOT)、 ALT(GPT)も高値の場合には肝炎が疑われます。検査結果で受診の判定があった場合や気になる症状がある方は、医療機関に受診し医師に相談をしましょう。
【参考HP】厚生労働省e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
この記事は、神奈川県川崎市高津区にある健診機関「京浜保健衛生協会」が執筆・監修しています。人間ドック/巡回健診/女性のための健診/がん検診など、健診でお悩みの際はお気軽にご相談ください。