37.“インフルエンザの流行に注意しましょう” -予防と対策-
保健師便り2019.11.01 2540view
寒くなり、空気が乾燥してくると気になるのがインフルエンザ。毎年12月ころから流行し、インフルエンザ関連のニュースもよく耳にするかと思います。今年も本格的なシーズンを迎える前にインフルエンザについての予防や対策を再確認してみましょう。
〇2019年の動向
例年インフルエンザの流行は12月ごろです。しかし今年は東京都内のインフルエンザ定点医療機関からの第38週(9月16日から9月22日)の患者報告数が、流行開始の目安となる定点当たり1.0人を超え、例年より早い流行開始がみられています。全国的には第40週(9月30日から10月6日)の時点で1都8県で定点当たり1.0人を超えている状況です。
今後、流行の拡大が予想されるため、今年はいつもよりも早めのインフルエンザ予防、感染を広げないための対策を心がけることが必要です。
〇インフルエンザと風邪の違い
一般的に、風邪は様々なウイルスによって起こりますが、多くはのどの痛み、鼻汁、くしゃみや咳などの症状が中心で、全身症状はあまり見られません。発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化することはあまりありません。
一方、インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が比較的急速に現れるのが特徴です。併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状も見られます。お子様ではまれに急性脳症を、ご高齢の方や免疫力の低下している方では肺炎を伴う等、重症になることがあります。
〇インフルエンザの感染経路
インフルエンザの感染経路には、飛沫感染と接触感染があります。
周りへの感染を防ぐために、くしゃみや咳などの症状がある時はマスクをつけたり、ティッシュなどで口や鼻をおおい、咳エチケットを守りましょう。
〇インフルエンザの予防
① インフルエンザワクチンを接種する
インフルエンザワクチンの接種は、感染後に発症する可能性を低減させ
る効果と、発症した場合の重症化防止に有効と報告されています。
ワクチンを接種すれば、症状や程度は軽くなりますが、感染や発病を完全に防ぐことはできません。インフルエンザは感染力が非常に強く、インフルエンザの感染経路での説明の通り、くしゃみや咳などによる飛沫感染や、ウイルスを含む痰や鼻汁に触れた手で口や鼻を触ることによる接触感染があるため、日々の生活の中で常に感染するリスクがあります。ワクチン接種以外の対策を心がけることも重要です。
② ワクチン接種以外の対策
※マスクを正しくつけましょう※
マスクには、くしゃみや咳の飛沫の飛散を防いだり、飛沫やほこり等の粒子をキャッチして体内に侵入することをある程度予防する働きがあります。使用する際にはガーゼ(織布)や花粉症用ではなく、ウイルス対策用の不織布製のマスクを選ぶなど、種類を考慮したり、マスクと顔の隙間を作らないなど、使用方法を工夫することが重要です。正しく使用し、効果を発揮させましょう。
【参考資料】
厚生労働省 インフルエンザQ&A/インフルエンザ一問一答
政府広報オンライン(インフルエンザの感染を防ぐポイント)
ティーペック健康ニュース「インフルエンザ対策は万全ですか」
東京都健康安全研究センター 東京都インフルエンザ情報
この記事は、神奈川県川崎市高津区にある健診機関「京浜保健衛生協会」が執筆・監修しています。人間ドック/巡回健診/女性のための健診/がん検診など、健診でお悩みの際はお気軽にご相談ください。