33.マインドフルネス瞑想|一般財団法人 京浜保健衛生協会

京浜保健便り

33.マインドフルネス瞑想

保健師便り2019.01.03 5240view

マインドフルネス瞑想
新年を迎え、自分のこれまでの生活などを見直し新しい目標を立てた方や、新しいことを始められた方も多いのではないでしょうか。お正月休みで心身の疲れをとり、晴れ晴れとした気持ちで過ごされていることでしょう。私たちの生活や仕事を取り巻く環境は情報技術の発展に伴い大きく変化しています。スマートフォンやパソコンの普及により目まぐるしく情報が飛び交い、コミュニケーションも絶え間なく押し寄せてきます。そのために思考や感情が常に刺激されやすい環境とも言えます。時にはそれらに圧倒され苦しくなることもあるかもしれません。また、仕事では高度な作業やスピードも求められ、ストレスを感じる人もいます。
平成29年の厚生労働省「労働安全衛生調査」では、「強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者」は58.3%でした。

まだ起きていない未来への不安や、もう過ぎてしまった過去への後悔で頭がいっぱいになり、自分で不安やストレスを増やしてしまうこともあります。
今回ご紹介する「マインドフルネス瞑想」は、マインドフルネスの状態へ到達する方法です。

マインドフルネスの状態とは


「マインドフルネス」の状態とは、未来や過去ではなく「今、ここ」に集中している状態のことです。
「今、ここ」に集中することで心が落ち着き、頭はクリアーになります。
観光地で売られているスノードームを思い出してみてください。ガラスの球体の中に水と雪のような白い粒が入っていて、振ると雪が舞うものです。このスノードームに私たちの頭や心を例えると、雪が舞っている状態が様々な考えで頭の中や心がいっぱいの状態と言うことができます。では、雪が舞っているスノードームの水をクリアーにするには、どうすればいいでしょうか。何もせず、ただスノードームを静かに置いておけば自然と雪は沈んでいきます。この時が、心が落ち着き、頭がクリアーになっている状態と言えます。

マインドフルネスの状態には以下のような効用があると報告されています。

1.不安感の改善

2.慢性的な痛みや血糖値の改善など身体的症状の緩和

3.学習や記憶、感情コントロールを担う脳の領域の活性化

4.思いやりや共感といった心理的な機能の向上

5.免疫システムの向上

6.仕事の生産性の向上

7.アイデアがわきやすくなるなど創造性の向上

マインドフルネス瞑想


昨今、IT企業を中心に、マインドフルネス瞑想を社員研修に取り入れる会社も増えています。
マインドフルネス瞑想の方法はシンプルです。「今、ここ」に集中するために、自分の呼吸に集中をします。実際に、次のポイントで行ってみましょう。

  • ① 背筋を伸ばしてイスに座ります。(あぐらなど、リラックスして座れる姿勢でもよいです。)
    足を肩幅に開き、肩の力を抜きます。
  • 目を閉じます。(視線を斜め前に落とす、半眼でもよいです。)
  • 上記のような姿勢を保ちながら、自分の呼吸に意識を向けます。呼吸は口ではなく鼻で行います。
    鼻から出入りする呼吸の感覚だけに集中してみます。深い呼吸をゆっくりと繰り返しながら集中します。
  • 他のことを考え出していることに気づいたら、再び呼吸に意識をもどします
    大切なのは、浮かんでくる考えなどを追いかけ続けずに手放し呼吸に戻ることです。
    再び意識がさまよいだしたら、また意識を呼吸に戻すことを繰り返します。
  •  マインドフルネス瞑想の方法は以上です。非常にシンプルです。

 

日々のマインドフルネス瞑想


マインドフルネス瞑想は毎日実践することで効果が得られます。特に行う時間や場所 に決まりはありません。
まずは一人の時間を作りやすい朝起きてすぐや、夜の寝る前に行ってみるのがよいです。 最初は1分、なれてきたら5分、10分と伸ばしてみましょう。
マインドフルネス瞑想によって実現できる心の落ち着きや頭がクリアーになる感じを楽しみながら行うこと、それが継続できるコツです。焦らず、おおらかな気持ちで取り組むことで、自然と効果を感じられるようになります。
新年のスタートと共に、心と頭の健康習慣を始められてみてはいかがでしょうか。

※精神的な健康に問題のある方は、瞑想を始める前に専門医と相談の上、行ってください。

参考文献:サンガ編集部、方喰正彰著
『マンガでわかるグーグルのマインドフルネス革命』サンガ.2017

保健師便り

この記事は、神奈川県川崎市高津区にある健診機関「京浜保健衛生協会」が執筆・監修しています。人間ドック/巡回健診/女性のための健診/がん検診など、健診でお悩みの際はお気軽にご相談ください。

一般財団法人 京浜保健衛生協会

ページトップへ戻る