検査結果項目
循環器
【心電図】
心臓は自動的に収縮を繰り返していて、収縮と拡張の際に心筋に流れる電流を波形として記録する検査です。
波形の形状や山と谷の間隔、高さなどから心臓に異常がないかをみます。
◆おもな所見の説明
上室性期外収縮
|
上室から通常のリズムより早めに電気刺激が出ている波形で緊張やストレスなどでもみられます
出現頻度が高い場合や自覚症状(動悸、胸の違和感など)によっては治療が必要な場合もあります |
心室性期外収縮
|
心室から通常のリズムより早めに電気刺激が出ている波形で興奮や過労、心疾患などでみられます
出現頻度が高い場合や自覚症状(動悸、胸の違和感など)によっては治療が必要な場合もあります |
右脚ブロック
|
右の心室への電気刺激伝導路が途中でブロック(途切れている)されている波形で加齢でもみられ問題は少ないものです
|
左脚ブロック
|
左の心室への電気刺激伝導路が途中でブロック(途切れている)されている波形で心疾患が隠れている場合があり、詳しい検査が必要です
|
房室ブロック
|
心臓の中で電気が伝わる時に心房と心室の間(房室結節)で電気の伝わり方が遅れる所見です
伝わり方が遅いだけのⅠ度、脈がとんでしまうⅡ度、電気の流れが途絶し心房と心室がそれぞれに電気刺激を出すⅢ度、に分けられます |
洞性頻脈
|
波形は正常ですが心拍数が110回/分以上と多いものです
心疾患や内分泌異常などの病的な時だけでなく緊張した時にもみられます |
洞性徐脈
|
波形は正常ですが心拍数が50回/分以下と少ないものです
よく運動をする人にも見られる所見です |
左室肥大
高電位 |
高血圧や心疾患で左室の壁が厚くなったり内腔が拡大している所見です
|
右室肥大
|
肺の病気や心疾患などで右室の壁が厚くなったり内腔が拡大している所見です
|
ST-T低下
|
冠動脈(心臓に酸素や栄養を運ぶ血管)の硬化や狭窄などでみられる波形ですが、左室肥大に伴うものや意味のないものもあります
冠動脈硬化が疑われるときは精密検査はもちろん生活習慣病の改善も必要です |
心房細動
|
心房が正常リズムによらず各所で勝手な電気刺激を起こす所見です
心房内で大きな血栓を作り、脳梗塞の原因となることもあるため専門医での治療が必要です |
WPW症候群
|
心房内に正常の電気刺激伝導路とは別の伝導路がある所見です
頻拍発作を起こすことがある場合は精密検査が必要です |
低電位
|
心臓内に発生した電気の電圧が低い波形です
心臓自身の起電力の低さ(小柄でやせている)や電気が体表に伝わりにくい場合(肥満など)のほか、体内に水分の多い時にもみられます |
【血圧】
血液が流れる際に血管壁にかかる圧力のことで、収縮期血圧(心臓から血液を拍出する時の圧力)と拡張期血圧(心臓から拍出していないときの圧力)で表します。加齢や肥満、ストレス、自律神経のバランスなどで高くなる傾向がみられるほか、腎臓病や内分泌異常でもみられます。
成人における血圧値の分類
分類
|
診察室血圧(mmHg)
|
家庭血圧(mmHg)
|
||||
収縮期血圧
|
拡張期血圧
|
収縮期血圧
|
拡張期血圧
|
|||
正常血圧
|
<120
|
かつ
|
<80
|
<115
|
かつ
|
<75
|
正常高値血圧
|
120-129
|
かつ
|
<80
|
115-124
|
かつ
|
<75
|
高値血圧
|
130-139
|
かつ/または
|
80-89
|
125-134
|
かつ/または
|
75-84
|
Ⅰ度高血圧
|
140-159
|
かつ/または
|
90-99
|
135-144
|
かつ/または
|
85-89
|
Ⅱ度高血圧
|
160-179
|
かつ/または
|
100-109
|
145-159
|
かつ/または
|
90-99
|
Ⅲ度高血圧
|
≧180
|
かつ/または
|
≧110
|
≧160
|
かつ/または
|
≧100
|
(孤立性)収縮期
高血圧 |
≧140
|
かつ
|
<90
|
≧135
|
かつ
|
<85
|
高血圧の診断に際しては、家庭で測る血圧値がより一般化していることから、ご自宅で定期的に血圧を測定し、普段の血圧値を把握しておくことが大切です。
家庭用の血圧計をお持ちの方は、起床時と就寝前に測定し、記録してみましょう。